ずぼらママンのマイルと旅の覚えがき

'50s 旅行好き主婦。陸マイラー歴15年ちょい。ゆるゆる無理せず、年に2回は海外旅行に行こう!!の情報をシェアーしています。

旅の理由とコロちゃんのこと。

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私の旅にほぼ必ずコロちゃん、コロちゃんはこの犬のぬいぐるみの名前です。

実はこの「コロちゃん」の所有者は私ではありません。

コロちゃんの所有者は大阪の専門の病院に入院している難病(筋ジストロフィー)患者さんです。

 

その患者さんの名前は「しんちゃん」と言います。
「しんちゃん」との出会いは今から7年位前だったかしら???

今、24歳の娘が18歳の時だったから、やっぱり7年。

今はほとんどやらなくなってしまったけれど、当時、私はTwitterを始めたばかりで、Twitterの相互フォローをしていました。

 

もちろん、最初は彼がまったく動けない病気なんてまったく知らなくて、

なんとなく娘のこととか、日常のことなどを話すようになって、もちろん年齢すら知らなくて・・・

 

そんなある日、私が「残り物のカレーライスを美味しくアレンジする方法を教えてください」とTwitterでつぶやいた時に、しんちゃんが「焼きカレー」というのを教えてくれて(カレーライスにグラタン用のチーズをトッピングして焼くと、まったく別の食べ物になる)、そんな会話の流れから、「実は自分は病院患者で、まったく物が食べられなくて、点滴で栄養補給をしている」ということを聞かされました(ダイレクトメールでだけど)。

その頃はその話が本当か嘘か??何しろネットの世界だし、嘘ついている人も多いんだろうしと、何気にその話を流していたのだけど・・・

その後、「(私の)住所を知らせずに年賀状を送る方法があるから送っていいか?」と聞かれて、もちろんOKをして、彼から年賀状が届きました。(年賀状だけだけど)

 

それから数年して、それでも偶にTwitterで会話も続いていて、そんな日常の中で私が大阪に行くことがあり、「旅行で行くんだけどお見舞いに行っていい?」と聞いたことがありました。

「彼は来てくれるのはとっても嬉しいのだけど、きっと自分をみたらすごく驚くけどいいの??」と言ってきました。

 

「私は年賀状のお礼もあるし、しんちゃんさえよければいいよ別に」と返事をして、本当に彼に会いに行きました。

 

たまたま大阪の友人が車で私をその病院まで送ってくれたこともあり、私たちはすんなり対面することができました。

 

私たち(私としんちゃん)が最初に知り合ってから、もうすでに3年以上が経過していた時期だと思います。

 

病院で初めて彼に会った時、驚いたか?驚かなかったか?と言われれば、やっぱり少し驚いたかな。

 

筋ジストロフィーという病気、私はテレビでしかみたことが無かったけれど、筋肉がどんどん固まって動かなくなってしまう病気だそうです。

 

彼の年齢は当時で確か38 歳って言ってたかな、12歳までは普通の小学校に行っていたそうです。中学生から入院するようになり、中学校〜高校は病院内の学校へ通ったとのこと。だんだん身体が動かなくなって、徒歩から松葉杖、車椅子と院内通学の方法も変わっていったと。

当時38 歳だったから、彼は12歳から38歳までの26年間を病院から一歩も出ることができずに、今も病院で過ごしています。あれから4年位は経過したと思うから、たぶん彼はもう40 歳をとっくに過ぎていると思います。

 

彼から聞いた話ですが、病気のことを医師から告げられた時に「あと20年の命」と言われたそうです。でも、専門の特殊な病院にいるってこともあるのかもしれないけど、彼はその20年をとっくに過ぎて、ちゃんとこの世の中で生きています。

 

彼は「自分は何もできないから(動くこともできないし)」と言ったけれど、彼がその専門の病院にいることで、彼と同じ病気になった人の役に立っているというのだけは事実です。

 

彼のコミュニケーション手段はパソコン、インターネットです。
PC無しでは会話が出来ません。

動けるのは指先、ほんの1ミリ位。そのちょっと動かせる指でパソコンを使ってなら会話が出来ます。

 

もう筋肉が動かないので、顔も左側に向けたまま、だから彼の右側に私が立ったとしても、彼は私の顔を見ることは出来ないのです。

だから私が彼のところに行く時は、必ず彼の左側に立つしかありません。

・・・・

 

そんなある日、「うなぎや」とかいう名前の会社だったような記憶があるのだけど、

「病気だったり、高齢になって閉まったり、何か事情がある人の「ぬいぐるみ」を預かって旅行に連れて行って写真を撮って送ってあげる」というサービスをしている会社があることをテレビで知りました。その会社はもちろんそれをビジネスとしてやっているのだけど、かなり需要があるとテレビで放送していました。

 

大切な人に、ウナギトラベル – ぬいぐるみの旅行代理店

 

その話をしんちゃんにして、「今度、旅行に行くのだけど、しんちゃんもやってみたい?」と聞いてみたら、「やってみたい」と、コロちゃんを私の家に送ってきました。

 

もちろん、私はお金は一切頂いてはいません。

 

確かその時は、「京都旅行」と「ディズニーランド」だったような記憶があります。

 

もちろん、彼自身は送るなんてことは出来ないので、お母さんに頼んで送ってもらっているのです。

 

彼は大阪、私は横浜。コロちゃんは毎回、宅急便で送られてきます。

 

それ以来、私が海外旅行に行く度に「コロちゃんどうする?」としんちゃんに聞くと、「ぜひ〜」とコロちゃんがウチに来るようになりました。

 

病気のしんちゃんに私は何もしてあげられないけど、コロちゃんを旅行に連れて行って写真を撮ってきてあげるってことくらいしかできないし、それも喜んでもらえているのかすら分からないのだけど・・・

 

でも、コロちゃんの衣装(洋服)は毎回お母さんの手作りの衣装でちゃんとお着替えしてくるし、たぶん送ってくる・・・ってことは、喜んでくれているんだろうな?って勝手に思うようにしています。

 

旅行に出られるというのは、本当に幸せなことです。

 

健康だから旅行に行くことができる。

 

健常人からしたら、本当に当たり前すぎることなのだけど、この当たり前のことは本当はものすごく恵まれていることなんだろうな・・って思います。

 

この記事は、どこか奥の奥の奥〜〜〜〜のほうに沈めてしまいたいのだけど、

でも、奥のほうにでも、ひっそりとこの記事を漂わせていたい・・・そんな気持ちが私の心のどこかにあるのも事実です。(なんでそう思うんだろう??私??)

 

もし、コロちゃんが写っている写真を見かけたら、

「あ、コロちゃん、元気なんだな❤︎」って思ってもらえると嬉しいです。

 

そして最近の私の気づきがあります。

 

実は私がコロちゃんを旅行に連れていってあげてる・・って私は思っていたのだけど、

実際のところは「コロちゃんが私を旅行に連れていってくれてるのかも?」と?
なんとなくそんな気がしてきました。

 

この内容は、もう書きません。たぶん。(わからないけど)

 

もし、何かのご縁でこの記事を見つける方がいたら、

旅ができる幸せ・・・を一緒に共有できたら嬉しいです。

 

おしまい。